臨床研究適正評価教育機構

講演会・講習会

「臨床研究適正評価教育機構 発足記念シンポジウム」が開催されました。

会場写真 2010年3月7日,第74回日本循環器学会総会・学術総会の最終日にあわせて,グランド プリンスホテル京都で,J-CLEAR発足記念シンポジウムが開催された。

写真折笠・後藤 左:折笠氏,右:後藤氏 第1部では,山崎力理事,景山茂理事司会のもと,折笠秀樹評議員による「臨床試験の企画から評価まで」, 続いて後藤信哉理事から「臨床試験のグローバリゼーション:国際治験に参加して」の二つの口演が行われた。

折笠氏は,質の高い臨床試験実施のためには,作業仮説立案から出版に至るプロセスをシステマティックに進めていくこと, 特に統計専門家の関与の必要性について解説した。 後藤氏は,臨床試験のグローバリゼーションのために必要な環境整備について,氏の海外での臨床試験実施の経験から, 日本においても大学内の研究支援組織(Academic Research Organization: ARO)が必要性であることを力説した。 討論では,日本における二重盲検試験実施の難しさなど,現状における課題を中心に活発な意見が交わされた。

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第2部では,植田真一郎副理事長が司会をし,桑島巌理事長がJ-CLEAR設立の経緯と今後の活動について説明した。 続いて,実地臨床の立場から弓倉整評議員,専門医の立場から菊池健次郎評議員からそれぞれ, J-CLEARの必要性,今後の活動への強い期待が述べられた。

桑島氏は,近年の循環器領域の臨床試験について,治療法の向上によってイベント発症率が年を追うごとに低下している。 一次エンドポイントに差がつきにくい状況からさまざまな評価項目が設定されているため, 試験の結果を見極めるのが難しくなっているとし, 臨床試験を公正中立に評価する第三者的な機関の必要性からJ-CLEARを発足させたと経緯を説明した。

菊池写真 菊池氏 弓倉写真 弓倉氏 続いて弓倉氏は,数多くの情報が入り乱れている中,正しい情報を選別して実地医家に届けてほしいとの期待が述べられた。 専門医の立場からは,菊池氏が複合エンドポイント設定の問題点,サブ解析・メタ解析評価の留意点などを整理し, 大規模臨床試験の適正な評価や啓発活動を通じて日本発の質の高いエビデンスを世界・アジアに向けて発信していくことが大切である,と結んだ。

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桑島写真 桑島氏 会場では,おもに報道関係者を中心に,大学関係者,製薬企業社員らが集まり,桑島理事長らに今後の活動などについて質問が相次いだ。

J-CLEARと製薬企業の関係についての質問に対し,桑島理事長は,本機構は決して製薬企業に対峙するために設立されたのではない, 製薬企業とも協同してよい方向に進んでいきたいと考えているが, 臨床試験に関する行きすぎた報道などがあった場合は,J-CLEARから自戒を促すようなことはしたい,と述べた。

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